複合原子力科学研究所 原子力基礎工学研究部門 准教授
kyoto-u.ac.jp■「環境構造生態学(Environmental Structural Ecology)」:
土壌コロイドの界面構造から研究を始め,生体膜における反応場,放射線による酸化反応,環境中微量成分の動態を研究してきた.これらの研究を通じて,物質の挙動はその性質だけでなく,それを取り巻く「環境の構造(時間×空間×制約,すなわち界面,勾配,障壁,流れ,相分離などの配置)」によって規定されるという視点に至った.
―― 環境は構造化された反応空間である.
この視点を基盤として,環境中の物質・反応・生命現象を「環境構造」という共通軸から理解する新しい学問領域
「環境構造生態学(Environmental Structural Ecology)」を提唱している.
38億年前の生命起源を説明することではなく(証拠の大部分が失われているため限界がある),
反応場の構造を設計・制御することにより,「生命的現象の創発」を誘導する原理と技術を開発する.
("農学的生命起源論"は実学として,社会に役立てる方向性を持つ)
―― では,どのような環境を構成すれば,生命的現象が再現可能なかたちで創発するのか.
おそらく,環境構造はつながることで(物質・エネルギー・情報の循環が一定の閾値を超えたとき)
相転移を起こし,生命的現象が創発すると予測される.