人文科学研究所 文化研究創成研究部門 助教
専門は科学史、メディア論。科学史としては主に人間を対象とする科学(human sciences)の歴史について、ミシェル・フーコーやイアン・ハッキングを参照しながら研究を行っている。メディア論としてはジョナサン・クレーリーやブリュノ・ラトゥールを参照しながら、見ることや読み書きを中心としたメディア実践について研究している。科学史とメディア論の交点としての共同的観察の実践とそこにおける限定的なの認識・知覚・注意の能力を備えた人間存在の役割に関心を持っている。
博士論文『The Scientific Rationality of Early Statistics, 1833-1877』においては、データの歴史という観点から19世紀イギリスにおける統計学をとりあげ、集団的観察の実践とそこにおける観察者の理論について研究した。現在は、社会科学的なオーディエンス調査、人間科学的な注意力(attention)の研究、そうした調査研究の応用としての「視聴者」という特異な人間存在とのインタラクションの技法といった、社会科学的・人間科学的、実践的知識が流入する場所としてのテレビについて科学史・メディア論的立場からアプローチする「The Science of Distraction」という国際共同研究プロジェクトを行っている。
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