複合原子力科学研究所 原子力基礎工学研究部門 教授
エネルギーに対する興味の延長で、ウランなど原子燃料の要素であるアクチノイド系列元素の物性化学に魅せられて学問の道に踏み入れてきました。この分野は、原子力科学における放射性廃棄物の減容や、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故以に伴うデブリの処理に貢献が求められています。また、この系列元素の一つであるα放射能のあるアクチニウム225(半減期10日)を適切にがん細胞に導入すると伝播性ガンの治療に役立つことや、ウランやネプツニウムを活用した二次電池など、狭義の原子力にとどまらない研究分野となっています。
アクチノイド系列元素は扱える場所が限られ、日本の大学では京都大学複合原子力科学研究所、東北大学金属材料研究所(仙台のアルファ放射体実験室、大洗センター)で共同利用での利用が可能です。これら3カ所をを舞台に上記の研究を進めて行きたいと考えております。