医学研究科 健康医療AI講座(産学共同) 特定准教授
慢性炎症による線維化は、種々の疾患および加齢に伴い進行する重要な病理学的プロセスである。血管の維持や腫瘍の転移などへの関与が示唆されており、その制御方法の開発が望まれている。我々は、もやもや病という脳血管が閉塞する難病の誘因として、RNF213遺伝子を特定し、同遺伝子が血管形成の異常や脳腫瘍の転移に関わることを突き止めた。同遺伝子は脂質代謝に関与するとともに、線維形成への関与が示唆される。iPS細胞と遺伝子工学を組み合わせた手法と、AIによる最先端のデータ分析を駆使して、その詳細なメカニズムの解明と、治療薬の開発に向けた研究を進めている。