生命科学研究科 統合生命科学専攻応用生物機構学講座 准教授
光合成の化学反応は地球環境を支える基盤ですが、まだ改良の余地があります。私は、水圏の光合成生物が持つ「ピレノイド」という特殊な細胞小器官を研究しています。これは、細胞内でタンパク質などが「相分離(ドレッシングの油と酢が分かれるような現象)」を起こしてできる、CO₂を濃縮するための装置です。 私の研究では、ゲノム解析やAI、超解像顕微鏡などを組み合わせ、変化する環境下でこの装置がどうやって作られ、維持されているのかを解明します。 最終的には、この「相分離する装置」を人工的に設計・改良する「合成生物学」の手法を用いて、植物の光合成能力を飛躍的に向上させ、地球温暖化や食糧問題の解決に貢献したいと考えています。