Graduate School of Letters, Division of Philology and Literature(Eastern) Associate Professor
前近代中国の知識人階層において「書くこと」はどのように構想され実現されたか考えている。「書くこと」とは、筆を用いて文字を書き記すこと、さらに文章を綴ることを含む謂いである。他方、詠唱される詩歌や語られる物語は「書くこと」をプライマリーな要素としないので、考察の対象としていない。要するに、中国の書芸と古典散文を対象とする表象論といったような趣向である。特に、書や散文に「作者の個性」のようなものが表現されるということがどのように自覚され構築されたか、作品と言説の両面から跡づけたいと考えている。